この世界は
この世界は一体なんなんだ。
知らない顔、知らない土地、知らない言葉。
何もかも知らない。一体どうして俺だけが。
まるで、異世界にでも飛ばされた気分だ。
「〜〜?〜!」
「〜〜!」
なんだ。俺の方をチラチラ見ているヒトがいる。
内緒話でもするかのように、ひそひそと喋っている。
すると突然、大きな声を出して俺を指さした。
「はっ?ど、どういうこと?」
指さしたヒトは、内緒話をしていた2人組だった。
なんだか怯えきっている様子だ。
俺が怖いのか?俺の方が怖いというのに。
「〜〜!〜〜〜!」
警官らしき姿が見えて、俺は安心した。
否、安心してしまったんだ。
「〜?〜……これで聞こえるかい?」
「っ!き、聞こえます!」
「そうか。君は、どこから来たんだ?」
「えっと…日本という国です」
「ニホン?…聞いたことがないな。カードは持ってるか?」
「か、カード?……クレジットカードですか?」
「クレジットカード?そんな古いの、未だに持ってるやつは初めて見たよ。」
「あ、あの……?」
「あぁ、取り敢えず詳しく聞かせて欲しいので、ここではなんですし、同行していただけますか?」
「あ、はい……」
今思うと、そこから可笑しかった。
なぜ、今までききとれなかった言葉がききとれたのか。
なぜ、自分が知っていることを相手は知らないのか。
簡単な話だったんだ。
知らなかったのも無理ない。
俺がいるこの世界は未来の世界なのだから。
_𝐞𝐧𝐝_
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
作者、小七です。
異世界ものが好きなんですが、中でも転生ファンタジーが大好きなんですよ。
今回は、未来の日本に迷い込んでしまった主人公。喋る言葉も建っている建物も何もかもが自分の知っている日本と違い、驚いているようです。
また、未来の日本人も言葉が通じない主人公に驚いて、警官を呼んでしまいました。制服は変わってないようです。
警官は、大学で古文の専門だったので彼の言葉が昔の日本語だと気づき、騒ぎを広がらないように署に連れていきました。
そこで、警官から説明を受け主人公がここが未来の日本であることに気づきます。
さぁ、主人公はどう生き抜いていくのでしょうか。
1/16/2023, 8:28:32 AM