あめのみ

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まひろと十里君って兄弟みたい。
目は口ほどに、というよりは頬は口ほどに。顔が赤らんでいくのが自分でもわかる。
うれしい。
えー、やめてよ。ウー気持ちわり。
俺だって嫌だよー。
嘘だ。そんなわけない。
ただ、相手からのそういう嫌悪感があることが、僕は知りたくなかった。
僕はゲイか?いや、ストレートだ。
いや、ゲイを嫌っているわけではないし、僕は自分を腐男子だと認めている。世間はメディアが盛んに布教しているように、セクシュアリティの多様性、を狂ったように叫びまくっているが。それでも、そんなのは上辺談話。好き、それだけで通じる世の中ではないのだ。
ある意味、腐男子、というのは逃げなのかもしれない。

この子かわいい、
最初にまひろにあったときに後ろに自然について行ったのも、僕の性的嗜好なのかもしれない。
最初話し時は彼と気が合うのがうれしくて、そして、彼から、僕らは似た者同士だ、と言われたときには無性に嬉しかった記憶がある。
だから、当然のように、喜んでくれるものと、ある意味わかった気になって期待していたのかもしれない。

兄弟みたいな仲で。恋人でなくてもいいから。

兄弟コーデを嫌われた日、向かい合わせの僕と君、その間にあったはずの鏡は、突如として透明な板に様変わりしていた。

                     あめのみ

8/26/2023, 2:01:14 PM