抹茶売りの少女

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バイトしている花屋の向かいにあじさいが咲く季節になった。

店長がこの店にも入れてくれたらいいのに。
きょうの客は結婚記念日で、ときてちょっと、かなりチクリとした。
私の彼はいなくなった。

誕生日にあじさいをよく送ってきた。
あじさいは、浮気なんて意味もあるものだからすこし嫌だった。
言葉どおり彼はきれいに女をつくっていた。
ショックだったけど話せばわかると思って酒を用意して待ったっけ。

彼はきれいに酔って、話せる空気じゃなくなって、水を買ってやった。
ついでに洗剤とかも買い足しておいたっけ。
そっからは酔って知らないけど。

その晩、雨で湿った地面で彼は死んだ。
だから彼の親に赤いあじさいを届けた。
死因はなんだっけ。あ、なんかよくわからないの飲んだっけ。
もう1年。

私はあれからすこしあじさいが好きになった。

6/13/2023, 11:28:47 AM