ーもう二度とー
成功している彼を見た。
自分もできると感じた。
でも、失敗した。
彼ができるなら自分もできるはずだった。
結局、残るのはいつも「できるはずだった」という後悔だけだった。
もう二度と、自分に期待なんてしない。
そう思って既に変形した、腐った色のするような心を握りしめる。
ジリジリと痛みが込み上げてくる。
「何やってるんだ」と自分に喝を入れる。
そしてまた、「これぐらい自分にもできる」
そんな無駄なプライドで転ぶんだ。
転んだ膝は赤青紫と色とりどりに変色した。
それでも自分はできる筈だ、と震える足で立ち上がった。
皆には「馬鹿らしい」と、「お前には無理だ」と
罵声を浴びせ続けられた。
それでもぐちゃぐちゃな心を握り潰して立ち上がった。
でも結局、最後の感想は「できるはずだった」という後悔だけが残った。
何度繰り返すのだろう。
いや、
何度でも繰り返すのだろう。
もう二度と、もう二度と、もう二度と。
その言葉を何度も何度も繰り返す。
もう二度と、こんな気持ちになりたくは無い
3/24/2025, 1:24:27 PM