まこここ子

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 夕暮れヤバ。烏とか雁が並んで飛ぶのがしゅき。あと日が落ちた後の虫と風の音良すぎて、語彙力溶けた。
 と、古典の授業で清少納言も言ってた季節。今日も、めっちゃ群れで飛んでる鳥いる。影絵みたいでかっけー。いやカラスか?あれ。カラスだったら、こんなタソガレドキ?に見なくても影絵だわ。
 でも、日が落ちるのも早くなっちゃったから、今すっげー雰囲気あるの。女子高校生が一人で、夕焼けを眺めながら、住宅街を歩いてる。これを『エモい』と言わずにどうしろと。
 夕陽が逆光になってさ、周りの家も、わたしも、『通学路です!児童注意!』みたいな人形も、みんな影絵みたいなの。カラスなの。隣を通りすぎる人にさ、わたしはオレンジに光って見えてさ、目を凝らせば、このつよつよ最強顔面が見えるようになってんの。秋の夕暮れ、ガチエモい。清少納言の気持ちマジ共感しすぎて、今なら模試でトーダイ国語A判出る。

 ………はあ。
 でもさ、ガチで好きなんだよ、わたし、この時間が。
 だってさ、この時間しかさ、繋がらないんだもん。カナコにも、ミナミにも、サクラにも、マリにも。大親友なのに。
 誰かも分からない、影みたいな感じでさ?横通って。そしたら4人とも、振り向いてこっち2度見してくんだよね。
 そしたら、わたし、繋がりが切れちゃうの。大親友4人は2度見できませーん、はいしゅーりょー、って感じで。
 隣を通った君は、誰そ彼。そんな感じ。夕暮れだけしか会えない。わたしは、ここで一人、みんなが通るのを待ってる。

 ……つまり、死んだわたしは、今日も生きてるみんなを、この通学路で見守っています。時々化けて出ます。エモ。

10/1/2024, 12:51:34 PM