Open App

なにげないふり




空は生憎の雨模様だった。午後から傘マークと言っていた今朝のニュース番組の天気予報は合っていたようだと、ぼんやりと窓際の席から外を眺めた。階下には色とりどりの傘が並んで歩いており、続々と帰路を目指しているのがわかる。透明、黒、青、と浮かぶ色はどこかこの天気のように暗い色ばかりだ。
夕方から雨足は強くなると言っていたが、まだ小雨なうちに俺も帰りたいなと思いながらあくびを一つこぼした。待ち人はどこで油を売っているのだろうかと、リュックだけ置かれた隣の空席を眺めた。別に待ち合わせなどしていないし、ただなんとなく月曜日は一緒に連れ立って帰ることが多いから待っているだけにすぎないのだが、それでも言葉に出してしまうとなんだかこそばゆいような気がしてうまく言葉にできない。俺が待ちたいから待っているだけ、にすぎないし。

3/30/2026, 5:51:08 PM