ひんやりとした風が草木を揺らし頬を撫で、彼方へ過ぎ去ってゆく。
「なぁなぁ、この村を出たら何がしたい?」
「私ね、商人になりたい!色んなとこを巡って、色んな人に出会って、色んな物を交換するの。そしていっぱいの事を知って皆に伝えたいな」
「ははっ、いいなそれ!俺はな、どんな時でも皆を守れる騎士になりたいんだ。そしたらもう何があったって安心だろ?お前の護衛だってしてやるよ」
一面の芝生で笑い合って。広い空に夢を描いて。お互い叶えようねって指切りをした、そんな爽やかな記憶。
約束、とまでは言えないけれど、確かに私をずっと支え続けているおまじない。きっとこれから先も忘れる事は無いのだろう。
『約束』
3/4/2025, 2:58:18 PM