NN

Open App

『私の当たり前』

夜。ビルの光がよりいっそう輝き始める頃。学校が終わった私は、大きめのパーカーを着た。私はある町に向かった。東京にあるその町で紅い文字がより一層輝きを増して見える。今日も欲望と理性が入り混じった匂いがした。私がやることは単純。ただひたすら歩くだけである。ここ数年同じことをしているので知りあいも増えてきた。適当に話しながら街をぶらぶらしていると、ネクタイの紐が緩んだ男性が声をかけてきた。
「毎度。何にする?」
[バツ、20g頂戴。]
私は金を貰いラムネのようなカラフルなものを渡した。
今日も私は手を汚してしまった。黒く染った夜のように。それが、私の当たり前なのだ。

7/11/2024, 11:44:11 AM