ぽこちゃひ

Open App

◼️1000年先も
毎日毎日、「それとなく」生きている。

別にブラック企業ってわけじゃない。
残業なんかもないし、人のプライベートには誰一人踏み込んでこない。
むしろホワイトすぎる企業での生活だ。

稼ぎはそこそこ。

生きるのに苦はまったくない。

でも。

だからこそ。

私はどんどん自分の輪郭を失っていく。

ホワイト企業のまっさらな白に、私は染まっていく。

私が、私でなくなる。


その生活に慣れてきて、そしてどんどん
自分の好きなものも、
自分の嫌いなものも。

誰が好きなのかも、
誰が嫌いなのかも。

自分の強みも、
自分の弱さも。

全てが曖昧になっていく。


そうして年齢だけが重なっていって、
数年後には、社会的になにも得られていない、
すっからかんの人間のような形をした容器だけがそこに残る。


怖い。

そうなりたくない。

惨めに生き恥を晒したくない。


……いますぐ。

…… …… 消えてしまいたい。


そんな、消えてなくなることへの希望を、
胸の中、頭の奥、お腹の下に隠していく。


そんなある時、私は気付かされた。

それは、長めの熱いシャワーを浴びた日のことだった。

自分では気づかなかったけど、お風呂場からでたときに突然それはきた。

頭がフラフラして、めまいがひどい。

呼吸もなんだかおかしくて、熱さと気持ち悪さの汗が止まらない。

お腹もなんだか痛い気がする。

濡れた髪も構わずに移動し、横になれる場所を探す。

ああ 気持ち悪い 苦しい もしかしたら、このまま死ぬのかも。


はたからみれば、だたのぼせてしまっただけの人。


それでも確かに、私は死をそこに感じたのだった。

「ああ、そうか。 自分って死ぬんだ」

誰もいない部屋で、私はそんな簡単なことに、ようやく気づいた。



自分の輪郭を失いかけてる日々。

自らの意思で「消えること」へ「希望」を見出す日々。


私はずっと勘違いしていたんだ。

その日々が「1000年先もずっと続く」のだと。

私はようやく
こんなにくだらない出来事で気づくことができた。


だからって何か、劇的に変わるように人生はうまくできていない。

でもひとつだけ。

いまからでもいい。 命に嫌われないように生きてみようかな。

2/3/2026, 11:03:50 AM