──大空たり得ない。
曇天を見上げて、大空だなんて言えないでしょう?
ぶ厚い雲の向こうに澄み渡るような青が広がっていたとしても、それを見ることはできないのだから。
薄雲の向こうに目の覚めるような星空が広がっていたとしても、その光はこちらに届かないのだから。
自分の体さえ認識できない暗闇の中で、光はあるだなんて言えないでしょう?
一寸先は闇、と言うのに誰も一寸先の光を信じて希望を灯さないのは何故?
灯台下暗し、と言うのに誰も光のすぐ近くにある闇を照らさないのは何故?
曇天は大空になり得ない。
暗闇は希望になり得ない。
ああ、でも。
あなたはご自分で希望を生み出せるのでしたね。
──曇天を照らす光のなんて眩しいこと!
(大空)
12/22/2024, 9:55:40 AM