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一人新幹線に乗るまでは良かった。
目的地のホームに着いた途端、人、人、人。
地元とは比べようもないくらいの息苦しさに、手荷物を少なめにしていて良かったと改めて思った。
ただ。

「……どっちに行ったらいいんだろう」

今いる場所も、目的地も分かるのに。
その間のルートが分からない。
以前来た時もその前も誰かが一緒で。
おびただしい人の群れ、溢れ返る匂いと熱。
少しの心細さに『街』に呑み込まれそうになりながら改札を目指す。
壁にもたれるよりも早く一息つきたくて。
少しでも早く、あいたくて。


6/11/2024, 3:21:17 PM