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みかん。蜜柑。未完。未刊。

さて、どれが良いか。
早速脳内会議だ。

「みかんの白い部分ってアルベドって言うんだって」

へぇーそうなんだ。

「みかんが出てくる漫画といったら、アレでしょう。みかんの蜜の字も作品名とかけられるし良いんじゃない?」

あー、アレね。そうだよね。今回二次創作も良いかなぁ。

「みかんって一つだけと思って食べるのに、気付いたら毎回、二、三個食べちゃってるよね」

そうそう。気付いたらみかんの皮が山になってるんだよね。 

「食べ始めたら止まらないって、ジャンク系とかもあるよね」

あぁ、アレは偶に食べるとハマるよねぇ。

「お正月になったら食べちゃう?」

あぁ、それは悩むわぁ。でも、食べるより寝正月を目指してるんだよね。

「ねぇねぇ、ラクガキはどうする?いつ描く?何描く?」

時間を見てサクッと描きたいかなぁ。
描くなら、いつも通り二次絵のラクガキだねぇ。 

「文治さま?それとも、ルドさん?」

あぁ、主人公。二人とも良いね。

「ところでさぁ…」

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脳内会議もとい駄弁りと化したやり取りを
遠くから見つめる影が二つ。

「…二代目。アレは何だ?」

「あぁ、脳内で駄弁る…本体?ですかね」

「本題からズレていってるのだが。あのアホ共は分かっているのか?」

「…多分気づいてないでしょうね。本体に至っては本日、仕事納め。休みを迎えたことへのハイテンションなんでしょうね」

まともな思考をしてませんよ。

カードの子供は淡々とした口調で言い切った。

「確かにな」

「ところで番人さん。クリスマスの時届いたものは何でした?」

先程までの温度のない声とは対称的に、子どものような茶目っ気さを含んだ声で尋ねてくる。

掴み所のない子供だ。

本来は冷めた方が本性なのだろう?
その子供の面を剥いだら何が出てくる?

直ぐに返事がくると思っていたのだろう。
カードの子供が不思議そうな顔をしてこちらを見てくる。

この子供の正体は一体何なのだろうか。

「…あの…思考の番人さん?」

戸惑うその声も演技だとしたら見事の一言に尽きる。

カードの子供と番人の間に
何とも言えない空気が流れる。

その状態はいつまでも続くと思われたが、
ピンッと張られた無音の糸は
思考の番人によって断ち切られた。

「…秘密だ」

一言。
それだけを返すとカードの子供はケチですねと言って頬を膨らませた。

「子供よ、このカードをあそこでバカ面している本体に渡せ」

懐からカードを取り出し子供に手渡す。

「あれ?何も、書いてない?ブランクカードを渡すんですか?」

「行け」

「はーい。わかりました」
子供らしい俊敏な動きで駄弁る本体へ近づいていく。
子供に気づいた本体が子供の持つカードを覗き込んでいる。

「早く寝ろってこのカード何?お題と関係なくない?」
本体の喚く声が聞こえた。

みかんで未完だ。
さっさと寝ろ。アホ本体。

12/29/2023, 12:36:44 PM