この感情は恋か、愛か、それとも執着か。
答えは今はまだ、でない
振り返った彼女の驚いた顔に、目を奪われる。
六年ぶりに、会う彼女はさらに美しくなっていた。
腕の中に閉じ込めたい衝動に駆られ、
手を伸ばしかけてやめた。
彼女は触れられる事を怖がる。
僕の記憶が確かなら、それは彼女の傷に塩を塗り込む行為、それは避けたかった。
「……久しぶり。すっかり、有名人だね」
彼女の、乾いた笑顔が距離を感じさせる。
僕は、いつも通り笑えてるだろうか。
「ポスター、瑞希に見られるとは思わなかったよ」
「そう……一目見て日葵くんだって気づいたよ」
「そんなにも、わかりやすい?」
「ううん。好きな人だから、わかるの」
はにかんだ笑顔に胸をつかまれる。
可愛い。笑うとこんなにも可愛いのだと、今知った。
彼女を他の誰かに渡したくない。暴力のように強い感情に支配され自覚する。
______僕は瑞希が、好きだ。
頬が熱くなり、彼女の顔が直視できず、
初めての恋心に心揺さぶられるようだった。
お題 約束だよの2人の続きのようなもの
日葵サイド
6/4/2025, 12:30:18 PM