『たそがれ』
数年と同じ業務を繰り返し、上司には怒られ部下の尻拭いにあちらこちらに頭を下げそんな日々を繰り返していた。
気がついたら中堅と呼ばれるくらいまで働いていた。
しかし、自分がそんなスキルを持っているとは思えない。
私は溜息1つ吐き今日の業務を終わらせると、気がついたら屋上に来ていた。
命を絶つ為ではない。ただこの場所から観る黄昏空が好きなんだ。ビルの隙間から黄昏色の夕日が差し一日の疲れが浄化される様な感覚になる。
右手に持っている缶コーヒーをゆっくり飲みながら見つめていた。この時期はもう寒くなり日が落ちるのも早くなる。黄昏空も見えなくなる季節が来てしまうのかと少し寂しい思いがあるが、またこの黄昏空を見る為に頑張ろうと心に思い、缶コーヒーを飲み干し、今日の日課を終え帰宅した。
10/1/2023, 1:20:54 PM