まったく、今思い出しても腸が煮えくり返る。
まさかこの俺があんな奴に負けてしまうとは……
俺がアイツに劣っているだと?ふざけるな。
たった一回勝ったくらいで、アイツに優越感など持たれてたまるものか。
絶対王者たる俺が劣等感を抱く事など、断じてあってはならないのだ。
明日の勝負では、何としても俺が勝ってやる。
俺の勝ちはもう決まったようなものだが、前のようなミスは決しておこさないようにしなければ。
まず、決して慢心しないこと。
次に、アイツの底力を甘くみないこと。
そして何より、どんなに美味しそうな人参があったとしても、絶対に食べない……いや、もし食べてしまったとしても安心して眠ってしまわないこと。
胸に闘志の炎を燃やしながら、俺-―ウサギは
明日に迫ったカメとのかけっこ勝負の再戦に向けて
体調を万全にすべく眠りについた。
『優越感、劣等感』
7/13/2022, 12:03:55 PM