たった一輪咲いた花。その赤が、すべての答えだった。思わず、膝から崩れ落ちる。込み上げる涙が世界を滲ませ、一輪のコスモスの姿を隠していく。伸ばした手に触れる花弁のその柔らかさに、息を呑んだ。触れただけで壊れてしまいそうなほど、華奢な花。だがその強さを知っている。他でもない、約束をしたあの人がそれを教えてくれたのだ。
10/11/2025, 9:56:58 AM