××××××? 誰かしら?
あぁ、あの醜いもの。
そうね。私の役には立ってくれたけれど·····やっぱり生理的に受け付けないものってあるでしょう?
これ以上お近づきにはなりたくないわね。
恩? あの醜いものに? 私が?
おかしなことを言うわ。
あの醜いものが私のそばにいることが出来た、それだけで奇跡みたいなことでしょう?
それ以上何を与えろというのかしら?
もうおしまい。
あの醜いものは、短くとも良い夢を見られた。それだけのことよ。
××××××·····そもそもこの名前だって本当の名前じゃないのだし。
アレは一体誰·····いえ、何だったのかしら?
あなた、何か知っていて?
◆◆◆
現実感が無い。
足元がふわふわする。いや、自分の足がもう足じゃないみたいだ。溶けて、沈んで、ぐらぐらして、何も考えられなくなる。
でも、ただ一つ分かるのは。
彼女の言葉が何一つ間違っていないこと。
そしてそれを、僕自身が分かっていたこと。
僕は誰。僕は何。
僕は。
僕は·····。
END
「誰かしら?」
3/2/2025, 2:06:11 PM