白亜

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写真を撮るのが下手くそだ。
だからといって特に困るようなことはあまりない。せいぜい記念写真がぶれているくらい。
それに、私はあまり写真に興味がなく、触れずに生きてきた。

…のだが。

学校の長い廊下を歩く途中、写真部の展示が並んでいたので、あまり何も考えずに写真を眺めていた。

でもその中の一枚。満開の桜でもなく、鮮やかな色の鶯でもなく。深い青に満ちた夜空が、私の心に突き刺さった。特に星が好きなわけでもなかったのに。明るく輝く星の、瞬きの刹那をきり撮った写真に、私は夢中になってしまった。

結局私は、写真部に入ってしまった。親には怪訝な顔をされたが…。
私も、何かの刹那を切り取って、誰かの心を突き刺してみたい。
たった一瞬の瞬きを、永遠に残したい。

4/28/2024, 3:09:53 PM