No.22『世界の終わりに君と』
「──もし明日、世界が終わるなら何をしたい?」
この質問は何度かされたことがある。
その度に私はつまらない回答を返していた。
「世界が終わるなんて、普通は分からないことだからさ、私はいつもの日常を過ごしたいな」
でも今日は少し、傲慢になってみようと思う。
もし私が世界が終わるその時を知っていたら…
世界の終わりに君とハグをしたい。
一番近いところで大切な人を感じていたい。
最期の瞬間まで大切な人の体温を感じていたい。
体をぴったりと合わせて、大切な人に触れる面積を増やしたい。
その時、私は少し怖さを感じつつも幸せであるだろう。
6/7/2024, 1:23:56 PM