ー君を探してー
動こうとした暁には既に全て終わっていた。
自分にもできたはずだった。
自分が達成するはずだった。
でもその表彰台にたつのは、
いつもいつも君だった。
私は主役だった。
君は脇役だった。
でも拍手喝采の嵐の相手は、
いつもいつも君だった。
栄光も、名誉も、地位も、活躍も、監督も、舞台も、手にするのはいつも君だった。
成功するはずだった。
君は見ているだけのはずだった。
私は主人公として未来を期待されるはずだ。
君は脇役としてそれをただぼんやりみてるだけだっただろう。
現実は失敗していた。
君は全てを拾い笑っていた。
私は脇役のようにそれをただ眺めることしか出来なかった。
私の全てを、君に奪われた。
それを一生、私は恨み続ける。
あの腹立つにこやかな顔を。
あの見透かしたような、はたまた何も知らないような瞳を。
私から全てを奪ったくせにのうのうと生きているその身体をぐちゃぐちゃに壊すために。
私は今日も
ー君を探してー
いるのだろう。
3/14/2025, 3:16:20 PM