ホシツキ@フィクション

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バーで知り合った彼と友達になってから、たまにLINEが来るようになった。

“今日は流星群みたいですよ。”


正直私は元旦那に不倫されたせいで、まだ男性を信じれないでいる。
ただ彼からの真っ直ぐな好意が寄せられてるLINEがとても心地よく感じてしまってるのも事実だ。実際、LINEが来ない日は少し寂しいし既読がついたか確認してしまうことが増えた。

『最低だなあ、彼に甘えてる…』

最低と分かりつつも返信をする。

“曇ってますね…見れたらいいんですけど…”

ピロン、と通知音が部屋に響く

“もし雲が晴れて流星群見えたら、今度デートしてくれませんか?”

見た瞬間、心臓が止まるかと思った。今まで当たり障りないLINEだったのに、こんなに積極的なLINEは初めてだ。

『でも、少し羨ましいな。彼も元奥さんから裏切られたのに、前を向いてる…。』

スマホで天気を確認すると、朝まで曇りのマークが続いていた。
『まぁ、見えないだろうな。』
羨ましさからの妬みなのか何なのかは分からないが、私はちょっと意地悪な気持ちになって

“いいですよ”

と送った。既読はすぐについたが、返事はなかなか来なかった。

ピロン

私が送ってから1時間後に通知が来た。
“1番見える時間になりましたが、曇ってますね…”

思わず私もベランダに出て空を見上げる。
『ほんとだ。曇ってる。』

ヒュウっと冷たい風が頬を撫でる。
それがなんだか彼の寂しさと落胆が混じった気持ちを届けてきたように感じた。

例えばだが、“僕のところは見えましたよ”というLINEを送ったら私とデートが出来るというのに、嘘がつけないんだろうな。
ふふっと口角が上がってしまった。

それでも、約束は約束である。頑固と言われようが、それとこれとは別だし、同情でOKを出したところで彼も喜ばないだろう。


部屋に戻り、電気を消して布団に潜る。―――明日も仕事だ。


ピロン

ウトウトとしだした頃、LINEが来た。
“見えました!”

一気に目が覚めて、疑いつつもカーテンを開けて空を見上げる。

『…ほんとだ』

1番見える時間は過ぎたというのに、沢山の流星群が降って来ていた。

“見えましたね!
じゃあ、約束通り遊びに行きましょう”

そう送ると同時に、びゅう、とさっきよりも冷たく強い風が吹いた。
さっきよりも冷たいのに、寂しさは感じなかった。
むしろ彼の喜びを運んできたように感じた。

思わず頬を触ると、火照っていた。
心臓もドキドキしている。

『何でだろう』

そんなの答えは分かっているのに、私は気づかないフリをした。



どこに行こうか、楽しみだな…
デートの約束をする【君からのLINE】が楽しみだ。


第4話【君からのLINE】~完~


私自身LINEの通知は99+となっております。
内訳は9割公式LINEです。残り1割は家族です。
……別に寂しくなんてないです泣

第1話から続いています。お題を使った短編形式です。
良ければ見てってください。

このシリーズそろそろ終わるかも…?(お題次第ですが)
そしていつも♡︎ありがとうございます!
思ってる以上に♡︎頂けて、本当に嬉しいです!

9/15/2022, 12:43:47 PM