渚雅

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『神様』なんて

信じたことはなかった。


だって、そんな存在があるとしたら今の私の置かれている現状はいったいなんの冗談? それとも神様とやらにも私は嫌われているとでも言うの。とんだトラジェディ。

どちらにしても私を幸せにしてくれもしない幻想なのなら有も無も同じことだった。路肩の石よりもなお無関係な例えばそう未確認生物みたいな。

でも確かに信じたことも、いいえ、信じようとしたこともあったのだけど。どうしようもなく何かに縋り付きたくなって神頼みだなんてらしくないこともした。


なぁに? ええ、そうね。他力本願じゃ救われない。あなたの言葉は非のつけ所もない正論よ。正しくって痛くて妬ましいわ。

そうでしょ? そんなふうに何かを信じれる時点で恵まれているのだもの。悪いなんて言うつもりも責めるつもりもないけれど。でもそうね。残酷だとは思ってしまう。

だって、



カミサマ
「あなたは私を救ってくれないもの」

4/15/2024, 10:10:46 AM