「もう、終わりにしようか。」
目を合わせずに告げられた言葉が腹の底を冷やす。
分かっていた。いつか振られるのだろうと。
段々と合わなくなっていく視線。
理由をつけては断られたデート。
繋がらなくなった電話とメール。
彼からの言葉は、何時からか温もりを失っていた。
この言葉に答えたら、私達は二度と会えない。
そう考えると、このまま時を止めてしまいたくなった。
木枯らしが私たちの間を走り抜ける。
いつの間に離れていたのだろう。
かつて力強く握られていた左手は、
今も貴方の温度を求めているのに。
1/17/2024, 1:00:55 PM