NoName

Open App

ふわふわと、ぬるやかな世界が遠のく。
まばたき一つすらも今はひどく煩わしい。

もう少し、あと数分だけでいいから。
さっきまで間近にあった、あのまどろみの中に続けて浸れたらいいのに。

次に目覚める時は、多分その展開を覚えていないんだろうけど、もうどうでもよかった。
安らぎを願うまま、薄くなる意識を枕元に委ねた。

【夢が醒める前に】

3/20/2024, 1:51:50 PM