「…………さっっっむ……」
目覚ましのアラームに叩き起された午前6時半。
ぼんやり2度寝をかましたい、と思う間もなくやって来る、寒さ。
毛布から飛び出した足や顔が、とんでもなく冷たい。
慌てて毛布の中に引っ込めば、もう外には出たくなくなる。
「さむすぎじゃん……?まだ11月じゃん……?」
布団の中でぶつくさ言いながら、スマホで今日の気温を確かめる。
午前6時、気温8度。
なんなんだ、寒すぎ。
もう一度言おう、まだ11月だろ。
いかんせん寒すぎて、何もやる気がしない。
ずっとお布団の中にいたい。
「起きたくないんじゃあ……」
起きたくはないが、起きなきゃ仕事に遅刻する。
しぶしぶ布団から這い出て床に足をつければ、ぞわぞわ這い上がってくる冷たさ。
ぴょんぴょん跳ねるように移動して、急いで靴下を履く。
去年も同じようなことしたなぁ、と思いつつ、朝ごはんの準備。
1年周期でやって来るこの寒さ、最近来るのが早いような気がしないでもないけれど、存外嫌いじゃない。
あったかいものが美味しくなる季節だ。
今日の夕飯はラーメンにしようかなぁ、とか考えながら、カーテンの隙間から差す白い光を眺めた。
[冬のはじまり]
11/29/2023, 12:26:06 PM