無名氏

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星に願って

夜の色に散りばめられた煌めきの中で、ゆっくりと流れる光に目が留まる。

確か「光害」と呼ぶんだったか、と記憶の糸を辿る。
人間の都合で打ち上げられて、休まず私たちを見張らせておいて、言うに事欠いて害だなんて。

単なる金属の塊だったとしても、眼前で輝くそれは星と同じように美しい。
否、本物の星だって、物質として捉えれば不可侵でも神聖でもないだろう。

だからきっと、これも流れ星だ。
寧ろこちらの方が、燃え尽きてしまうこともなく私を見守ってくれる.

人々が行き交う街の中、誰も気に留めることのないのんびり屋の流れ星に、そっと願い事をした.

2/11/2025, 6:18:07 AM