恐る恐る幕を開けるかの如く静々と夜が明ける頃、鳥は歌い、草葉に雪が積もり、川もが段々と光沢を出し波紋を浮かべている。今日も今日とて清々しく感じるこの尖っていながら、心地好く体内に入(い)る涼風は爽快でありながらも物寂しさを感じさせる。
寂しさとは実に苦痛で、感覚をも失った悴んだ手のひらのように痛くじんわりとしているのだ。然しそれは時として動力源になる。寂しさの中にその寂しく思う「対象」を追い求める気持ちが潜在しているのだ。
追い求め、手に入れたその時にはそれはやがて爽快となるのだ。
私は今日もこうして雪を眺め余韻に浸っていたのである。
2/6/2025, 9:39:41 PM