自分のことしか考えられなかった。
たとえば目の前にいる人がたどってきた道に、どれほどの感情があったかなんて考えられなかった。
すべてを自分のものさしではかっていたので、他者の価値観なんて考えられなかった。
人一倍努力しているつもりになって優越感に浸っていたから、他人も同等に努力していることなど考えられなかった。
自分は特別な存在だという考えが、心の根に染み付いていたのだろう。
まだ子供だったからという言葉で片付けるのは愚かだ。しかし、子供に自己を客観視することを求めるのも無謀だ。
けれど、今ならわかる。
特別は比較することで証明されるのではない。
唯一無二だから特別なのだと。
「特別な存在」
3/23/2026, 3:08:39 PM