──海の底。沈む、沈む。暗い、暗い、奥深く。静かな場所。誰もいない。何も、ない。水面に差していた光も暫く前に途絶えた。世界が存在している事すら分からなくなる。本当に自分は少し前までこの世界で人々と同じように生きていたのか。自分の生きてきた記憶さえも曖昧になる孤独感に襲われた。世界に存在しているのはたった今自分ひとりなのではないかと錯覚するほどに。──君は。君も…そうだったんだろうか。
1/20/2023, 3:16:16 PM