「なぁ、なんでこの時計、修理に出さないのかい?針がずっと10時ぴったりで止まっているけど。」
僕の部屋に遊びに来ている友が部屋の真ん中にある大きな時計を見て指を指す。
「あぁ、その時計か。それは壊れていないよ。」
友人は訳が分からない、と言うように眉をひそめる。
「じゃあ、なんでこの時計は10時を指してるんだ?なにか意味があるのか?」
相当気になるのか、友人が早口で問いかける。
「……別に深い意味は無いさ。誰だってわけも分からずやりたくなることはあるだろ?」
友人は困惑の表情を浮かべた。そりゃそうなるだろう。僕も誰かがこんな事を言っていたらそんな顔になるはずだ。
「…まぁ、そうだな。」
と、無理やり納得したような声音で言われた。
何。その変わり者を見るような目は。
…だって仕方ないじゃないか。自分でも訳が分からないのだから。
2/7/2026, 12:24:40 AM