hot eyes

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「ハッピーバースデー葉瀬(ようせ)」

上を見上げると黒髪の少年がこちらを覗き込んでいる。
何、ハッピーバースデー?
「誕生日おめでとう、もう君✕✕歳だよね」
結構年取ったよねぇ?と笑いながら話しかけてくる。
「まぁ俺の中ではまだ10にもなってないけど。まだまだ赤ちゃんだねぇ」
目が笑ってない。よしよし、と頭を撫でられる。

何急に。
「君に誕生日プレゼントを渡そうと思って」

はいこれ、と顔の前に出されたのは片手に収まる程度の小さな箱。

「鏡だよ」
鏡?
「身だしなみとか大事でしょ?常に持ち歩いてチェックしなよ」
開ける前にネタバレするやつ居るかよ。
「それがここに居るんだよねぇ。実用性あるからいいでしょ?本当は鏡って題名、違う話書きたかったけど我慢して書いたんだから受け取ってね」
なんでそこまでしてくれたの。
「だって君、誕生日でしょ?」

なんて雑な理由なんだ、と考える。
「君には、俺に叶えられないことを叶えてほしいんだよ」
ぐいっ、と両頬を捕まれて顔を向かせられる。

「君は、俺の鏡なんだから」




「...ん」
目を覚ますと、いつもの天井。

(さっきのは夢......あれ?どんな夢見てたんだっけ)

体を起こすとカタン、と何かが落ちる。
「......?」
片手に収まる程度の小さな箱。その中には綺麗な青い装飾が施された鏡が入っていた。

お題 「鏡」
出演 葉瀬

8/19/2024, 6:26:02 AM