初めて手を繋いだ時に分け合った熱は今思えばそういうことだったのだろう。
あれから少しずつ、日々小さな勇気を重ねることの連続だった。
この想いを口から出してはいけない気がしていて、だからこそ育まれていった熱量。
想いの瓶はいつの間にか一杯になっていた。
「好きです」
つい身体の外へとまろびでたのは、生涯言うつもりが無かった熱だった。
言ってしまった。やってしまった。
今更訂正するのは遅すぎた。
恐る恐る相手の様子を伺う。
ほんのり熱を帯びた耳、まあるく見開かれた瞳。
これはあと少しの勇気があれば存外何とかなるかもしれない。
「お兄ちゃん」
勝利を確信し、その胸に確りと飛び込んだ。
1/27/2025, 11:46:34 PM