『ぬくもりの記憶』
あったか、ほこほこ、ぽっかぽか。
これが僕のぬくもりの記憶だ。
ずっとずっと子供の頃、おまじないのように唱えていた言葉。
あったか、ほこほこ、ぽっかぽか。
具体的にどんな事をした、なんてのは覚えていない。
しかし、冬に体が温まったときとか、心が嬉しいと思ったとき、僕は必ずこういった言葉が浮かぶ。
「だから、僕は……みんなにもお裾分けしたかったんだ」
「だからって街なかで誰それ構わず、カイロを配り歩くのマジで辞めてくれ。幼児に声を掛けて不審者扱いされた幼馴染の事情聴取する警察の俺の気持ち考えて事ある?」
「君が警察官で本当に良かったよ」
「せめてお前がヤクザ顔負けの強面じゃなけりゃあなぁ……」
おわり
12/10/2025, 11:35:28 PM