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『流れ星に願いを』




「夜の海は冷えるケド、風は気持ちいいな」

雪村さんがそう言って、アレだ、アレ。

某有名映画のワンシーンかっていう、両腕を左右に広げて船の先に立つやつ。

あの女優のポーズで風を受けている。
気持ちよさそう。

そのシーンを思い出したら、笑いが込み上げてきて、肩を震わせていたら、それに気づいた雪村さんが訝しげにコッチを向いた。

「なんだよ?」

「い、いや、それより、、、。
空すごいですよね」

「確かに、、、だな」

ごまかすように話しを逸らしたけど、本当に空の星がキレイだった。

「あ!今!」

突然、雪村さんが空を指さした。

「今の見たか!?あ!ほら!また!」

子どもの様に喜んでいる。

「雪村さん、、、」

「夏目も今の見たか!?」

そう言いながらコッチを見た雪村さんにグイッと一歩踏み込んで近づく。

「夏、、、」

「悠人さんとずっと一緒にいたいです」

「な、なに言って、、、」

「だって、流れ星見つけたら願い事言うんでしょ?」

僕が悠人さんの頬に触れる。
悠人さんがゆっくり目を閉じた。


4/26/2024, 12:00:21 AM