虹色の炎を纏ったイノシシ。水光を背に受け、深海へと誘う50mの鯨。湖の真ん中で沈んだ学校。水晶を隠した古いレンガの図書館。美しい夜空の下、都市の真ん中に佇んだお菓子屋さん。湿地の先にある朝霧に包まれた緑鮮やかな谷の城。
まだ見ぬ場所を夜、鍵で開けて旅することが私の日常だった。
あそこに行くことが私の全てでずっと続くことだと思ってた。
でもいつからか私はその鍵を使えなくなってしまった。いくら開けようとドアを叩いても、その後に待つのは朝の光だけだった。
いつからあそこへ行く鍵をなくしてしまったんだろう。
いつからあの世界に拒絶されてしまったんだろ。
私にはもうあそこへ行ける鍵を持ち合わせていない。
まだ私はあなたたちといたいのに。
「君が隠した鍵」 ўциа
11/24/2025, 5:21:07 PM