黄桜

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学校で本を読んでいると、クラスの同級生に肩を2回叩かれた。何事かと、本から肩を叩いた同級生に視線を向けると、その同級生に教室の外に貴方を呼んでいる人がいると言われた。仕方なく、教室のドアを開いて一足踏み出すと、肩を思い切り掴まれて思わず間抜けな声が漏れでた。
肩を掴んだのは、別のクラスの部活友達だった。その友達は、何度も声をかけたのに身じろぎもせずに、本を読み続けるから私のクラスの同級生に呼び出して欲しいと頼んだそうだ。
私が、一言謝罪をすると友達は屈託のない笑みで、そんな事より面白い話があると言って、私の手を引いて、友達の想い人がいる教室に足を運んだ。今日も、本を読み進めることができないと心の中で愚痴をこぼしたが、今、教室に戻ろうものなら友達に半殺しにされかねないと思うと、結局、友達の想い人の教室に留まる選択肢を取った。なんだかんだ、私は友達に甘いらしい。

何よりも、大切なことがある。

お終い

7/6/2023, 10:57:29 AM