はた坊

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春になると、必ずそこには勿忘草が咲き出す。

しかも年々、数が増えている。

そのたび、最後のキミの笑顔が蘇ってくる。


花言葉を知ったとき、僕はこの青紫の花を荒々しく引っこ抜いた。

この花の下から、キミが今にも姿をあらわしそうで。

この手で確かに、この手で…。


#19 『勿忘草』




2/2/2023, 11:58:43 PM