1年後
警告はされていたはずだ。
静かに人の動く姿を見るのが難しい焼けた大地、泥と漂流物の堆積し、異臭のする平野を見ながら呟く。
毎日、生活するのに精一杯だった。
けれど、楽しかった。たまにする外食での贅沢。ファミレスだったり、持ち帰り弁当のトッピング増しとか、コンビニスィーツ。一緒に美味しいねって言う明るい笑顔や、最後の一欠片を巡るジャンケン。
もう出来ない。
1人がいいと願ったあの日から今日で1年。
自分以外いない世界になった。
当たり前の世界は当たり前だからいいんだ。
誰かが文句言いながらも、道路を直したり、インフラ整備したり、作物作ったり、料理したり、洗濯したり、掃除したり、毎日、知らない誰かが働いていた。もう、誰もいない。それでいい!とあの日言ったのは自分。
簡単だった。
ボタンを押したら人工衛星が海に山に何個も落ちて、
エネルギー施設を破壊した。
もう誰もいない。知らない誰かも毎日の楽しみがあったんだよな。
望んだ世界が違うなんて贅沢だが、またループ出来るからいいか。もう、リセットボタンはないけど。
6/24/2024, 10:12:02 PM