スープ

Open App

私は憂鬱の色を知っている。真夜中が過ぎて、夜を運ぶ普通列車が終点で人を降ろし、そして冷たい車庫に収まったとき、それは見えるようになる。東から次第に空が白んでいき、やがて青に変わっていく。それが憂鬱の色だ。青のなかでもミッドナイト・ブルーと呼ばれる種類のものだ。私はその色彩を完璧に覚えている。この頃は毎日それを見ているから。アクリル絵の具でも色鉛筆でも、たとえ使いかけのクレヨンを渡されたって、見事にそれらを操り、混色してその色彩を表現できる自信がある。憂鬱がすべて空に転写されると、私は幸福な気持ちでやっと眠りにつくことができる。

8/22/2025, 2:58:01 PM