るに

Open App

明日食べたいものがある。
明日を迎えたい理由がある。
けどそれは
全ての人に当てはまることじゃない。
明日涙をこぼすことがある。
明日を生きたくない理由がある。
いざ明日になると
目がぐるぐるしてきて
輝き放つ太陽を
どうしても見れない。
かみさまはどうやってこの世界を
明日を作ったんだろう。
まだ寒いのに薄着で外に出て、
知ってることも知らないフリ。
向かったのは私が持つ店、
「明日屋」という所。
どこかの誰かであるあなたの
明日を変えれる所。
未来というものはわからなくて見えないから
未来というもので。
でもこの明日屋では
明日をカスタマイズできる。
金運アップの明日は
道端で100円を拾えるくらいだけど、
健康運アップの明日は
どんな病にかかっていたとしても
その1日だけ治る。
店の奥の奥にあるのは
幸運の続く明日と不運の続く明日。
別名、天使の明日と悪魔の明日。
この明日だけは売れない。
差が大きすぎて
ネブラスオオカミの手に渡ると危険なのだ。
明日を変えたい人は沢山いて
毎日大忙しだけど
おかげで儲かっている。
今日はどんなお客さんが来るんだろう。
人間観察も楽しいものだな、と
窓の外の緑の木を眺めた。
きっと今日もいい真夜中で
明日もいい真夜中だと
木は葉を揺らしながら囁いた。
"Good Midnight!"

2/17/2025, 2:40:05 PM