ホシツキ@フィクション

Open App

午前7時30分、アラームがなる。
俺は寝ぼけながらアラームを止めると重たい体を
むくりと起き上がらせる。

カレンダーを見ると7月15日月曜日。

『あぁ、今週もまた始まった…。』

土曜日に同僚と飲みに行き、日曜日は見事に二日酔い。
結局ずっと寝て過ごしたからか逆に体がキツい。

洗面所へ行き顔を洗う。朝なのに少し暑く、火照った顔に
冷たい水が気持ちがいい。

俺はいつも通りの支度をし、家を出る。
会社までは自転車で約15分。
少しアスファルトの匂いがする風を感じながら
いつも通りの道を自転車で駆け抜ける。

少し遠くの信号が点滅しだしたのが見えたから
俺はペダルを漕ぐスピードをあげた。
『ギリ間に合うか…?』
交差点に入るや否やすぐにこちらの信号が赤に変わった。
『間に合わなかった』
といっても急には止まれない。このまま突っ切っていくしか
ないと思っていたその時。

俺と同じくギリギリ間に合わなかった車が勢いよく曲がってきた。
『あ』
と思うと同時に、俺は轢かれた。


ピピピピ、ピピピピ


耳から入ってきた音はサイレンでも救急隊員の声でも無く、
毎朝聞き慣れていたアラームの音だ。

俺はガバッと起き上がり、アラームを止めて時間を見る。

午前7時30分、日付は7月15日の月曜日。

『夢だったのか?』

あまりにも生々しく、リアリティだ。
寝汗をびっしょりかいていたので、急いでシャワーを浴びて仕事へ行く支度を済まして家を出る。
あんな夢を見たからか、時間的にはギリギリだが慎重に会社へと向かう。
夢の中で轢かれた交差点ではちょうど信号が点滅しているが
急がず、ちゃんと止まった。

そして俺は無事に会社へ到着した。

仕事内容は営業で、朝礼後は社用車に乗り営業先へと向かう。
営業先に着いて駐車場に車を止めて歩き出した瞬間、こちらへ勢いよく車が向かってくる。
『あ』
と思うと同時に、俺は轢かれた。







―――――ピピピピ、ピピピピ




何度目のアラームだろうか。
俺はアラームが鳴る前から起きていた。

7時30分、7月15日、月曜日。


この確認も何度目だろう?

何故俺は毎回死ぬのだろう?

どんな行動を取っても、必ず車で死ぬのだ。

試しにずっと家にいたら、何故かクレーン車が倒れてきて潰された。
部屋のどこにいても、だ。
ピンポイントで俺を目がけて潰される。

そしてまた“ 今日 ”が始まるのだ。
どうすればこのループから抜けられるのだろうか?

しばらくベッドの上でぼーっと考える。

ふと、カーテンを開けて窓の外を見ると、ちょうどクレーン車が倒れてきた。スローモーションのように、ゆっくりと。


『あぁ、やっぱりね。』


ピピピピ、ピピピピ




【永遠に】~完~



ちょっと忙しいのでなかなか書けず:( ;´꒳`;)
マイペースに続けていきます!
そしていつも♡︎ありがとうございます!

11/1/2022, 12:35:59 PM