わたしにやさしくしないで。
やさしくされると、依存してしまうから。
依存したら、離れ離れになることが怖くなるから。
人はひとりでは生きていけないと言うけれど、依存せずに自立して生きろとも言う。
この矛盾に最近気がついた。
大切な人と過ごす時間はかけがえのない時間だ。
しかし、この時間を積み重ねていけばいくほど、その人がいなくなったときの悲しみは、大きく深くなる。
自分以外の他人のために何か行動をすることで得られる喜びや幸せは、何よりも大きいと聞いたことがある。
だから、自分の喜びや幸せを感じ取って、善く生きるためには、自分以外の他人の存在が、必要なのだ。
幼い頃、わたしをかわいがってくれた人が、もうすぐ遠くへいかないといけないと話してきた。
わたしはそれをどうしても受け入れられなくて、泣いていかないでといった。しかし、その人はそれはできないと話した。
わたしはこのとき初めて、やさしくわたしの成長を見守ってくれてきた人が自分の前からいなくなる“怖さ”を知った。
それから、だれかにやさしくされる度に、自分がその人に依存することが怖くなった。
そのため、ある程度までは心を開くが、その先は誰にも立ち寄ることができない結界を張っていた。
わたしは今、だれかに心を開くことを意識してやっていきたいと思っている。
いつか大切な人が目の前からいなくなったときでも、悲しむ心と自立する精神をバランスよく保てたら理想だ。
やさしくしないでと願うのではなく、自立した心を持ち、何事にも一喜一憂しない“心の強さ”を持った上で、人のやさしさにふれたいと思った。
__________やさしくしないで_____________________。
2/3/2025, 1:59:26 PM