『酔い潰れるまで話をしよう』
帰ってきた彼が「あぁ〜」と唸り声を上げ、ソファに倒れ込む。そんな彼の頭を撫でると、ちらりと目線がこちらに向いた。
「おかえり」
「ただいま」
「ご飯どうする?」と聞くと「食べる…」と言いのそのそと体を起こした。そんな彼の手を引き、ダイニングテーブルまで引っ張る。
ダイニングテーブルに乗っている料理を見て彼が目を輝かせた。
「お、おぉ!!どうしたんだこれ!?」
「ふふん、頑張っちゃいました」
そう彼に向かってピースをする。
テーブルの上には、彼の好きな料理が所狭しと置かれている。全部…とは言えないが、頑張って手作りしたのだ。
「今日なんかの記念日だったっけ?」
「ううん。…でも、何か大きなこと成し遂げたんでしょ?」
彼の目が大きく見開かれた。彼からは何も聞かされていないが、彼に何か大きな起こったんだろう。最近、雰囲気が変わったように思える。
それを伝えると、彼は眉を下げながら頭をガシガシと搔く。
「うわ〜、やっぱわかっちゃうのか〜…」
「ふふ、何年の付き合いだと思ってんのよ」
そう言って椅子に座る。料理のいい匂いが鼻をくすぐった。
「よかったら聞かせてよ。たまにはお酒でも飲んでさ」
机に置いてあったワインのボトルを揺らす。彼がニッと笑った。
「おう!聞かせてやるよ、俺の活躍!」
グラスとグラスを合わせて、宴の開始の合図をした。
【たまには】
3/5/2026, 2:43:49 PM