誇らしさというのがお題である。
誇らしさ、とは何だろうか。
ざらっと他の人の投稿を見たのだが、いまいちパッとしないことを書いている。
みんな戸惑っているようだ。
う〜む、仕方がない。
誇らしさを探しに行こう。
例えばケーキ屋さんとか。
僕の場合、もうコンビニでいいかというていたらくなので、貧民救済のようにどこにでもあるコンビニのスイーツで済ましてしまう。
最近のケーキ屋さんは、どうなっているんだろう。
よく知らない。
自転車で15分。
シャトレーゼ的な小綺麗な建物に入店して、様々なケーキの入ったウィンドウを見ていった。店員はいない。
セルフレジか。
「いらっしゃいませ!」と、ケーキが喋った。
「さあ、私のことを食べてください。とても美味しいですよ!」
なるほど、最近のケーキ屋さんは喋るケーキを売っているのか。
コンビニに客が取られたことで、フランチャイズでもなく、店長を解雇して、ケーキに喋らせるようにしたのか。
なるほど、狂気である。気持ち悪い。
「お買い求めいただきありがとうございます!
ありがとうございます! お会計は800円です!」
「PayPayで」
買ったケーキがレジ打ちをし、レジ機のテンキーは生クリームで汚くなってしまったが、そういった汚れ仕事はケーキ屋の仕事でいいだろう。
保冷剤を適当に入れて、家に帰った。
鍵穴にカギを入れようとしたとき、「誇り」とは何かについてなんとなく察した。
バカみたいな例えだが、ここにケーキを入れても扉は開かない。生クリームでベトベトになるだけである。ここは、ここぞというときにカギが必要なのである。それも、鍵穴にあう、カギが……。
「さあ、私のことを食べてください!」
ちょっとうるさくて、思考が停止してしまった。
とりあえず家中へ。
外から逃れてきたままにリビングについた。
すかさずケーキは喋ってきた。
そういえば、外にいた時は喋ってこなかったな。
公共の空気を感じて、ケーキになりきっていた。
屋内から外を通り、別の屋内についたことで、マジョリティのあるケーキからマイナーなケーキに変わったようだ。
でもマイナーなケーキ、喋るケーキは食べる気が起きなかったので、コンビニに行って普通のケーキを買って、それを食べることにした。
喋るケーキは冷蔵保存して、しばらく無視することにした。
1年後。
「普通のケーキはもう食べ飽きたでしょう? さあ早く私を……」
あれから1年ほど経っているのだが、まだ喋っている。
冷凍庫に入れたら黙ってくれるのだろうか。
入れてみたが、まったく黙ってくれなかった。
「ああ……、買ったというのに食べないという放置プレイ。それもそれで本望です……」
雪女ならぬ雪ケーキである。
そういえば、そういう商品名だったような?
8/17/2024, 7:27:22 AM