鯖缶

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あるドラマのワンシーンへの感想

その1
今にも涙が零れ落ちそうに瞳を潤ませて、目の前の男を睨み付ける美女。
『あんたなんかに同情されたくない…!』
『俺は…違う、これは同情なんかじゃない、これは』
「愛だよね〜」
「下心だな」

その2
しんと静まり返った会議室で一人スクリーンを見つめる男。コンコン、とドアが控えめに叩かれ一人の女が現れる。
『なんだ、何しにきた。その目は…同情か…? それとも落ちぶれた俺をわざわざ見に来たってわけか』
『わたし…わたしは』
「愛だな」
「打算ね」

その3
胸ぐらを掴まれた青年がガシャンッと金網に押し付けられる。青年は一瞬顔をしかめたが、すぐに目の前の、昔は親友と呼べた自分と同い年の男を睨んだ。
『…っにすんだよ!』
『お前、なんでこんな』
掴んだ手が、声が震え、男の目から涙が滑り落ちた。
『同情なんてするんじゃねぇ!』
「うわぁ、愛だわ」
「えっ? 愛なの? 葛藤とかじゃなくて?」


暗くなりそうなお題だったので、こんな感じですみません。







2/21/2023, 1:10:50 AM