崩壊するまで設定足し算

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▶10.「ススキ」博士のルーツ

9.「脳裏」
8.「意味がないこと」‪✕‬‪✕‬‪✕‬の目的
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1.「永遠に」近い時を生きる人形‪✕‬‪✕‬‪✕‬

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「この土地は‪✕‬‪✕‬‪✕‬には良い所だが、ススキが無いのが残念だ」
「ススキ?煤けた木ですか?」
「お前、それ外でやるなよ」

博士が言うススキは、
野原にたくさん生える草で、
頭に金色とも銀色ともつかぬ箒がついてて、
長いから風に揺れる。
博士の故郷にしか無いらしい。

人形は目覚めたばかりで学習が追いついていないため、記憶データの再生がロックされている。
博士の話からイメージを作るしかないが、それが正しいか見てもらう手段もない。

「それは、見に行くことができるのですか?」
「遠いからなぁ」

私は無理だな、と博士は軽く笑った。

「私の生まれた国で人形づくりは盛んだった。その技術を持った私が、こんな所まで流れてきたから‪✕‬‪✕‬‪✕‬は作れたんだ」

お前の髪色はススキの穂に似せたんだ。
風になびいたら綺麗だろうってね。

そう言って博士は人形の頭を撫で、話を締めくくった。

11/11/2024, 6:53:18 AM