「ごめん、ある事情でしばらく会えなくなる。でも絶対に帰るから、待っててほしい。」
というメールを残して行方が分からなくなって一年、漸く電話をしてくれてやっと会えるのか、と安堵する間もなく告げられた
「ごめん、約束を破ってしまうけど、もう会えないかもしれない、きっとこのまま僕は死んじゃうから、でも、最後にどうしても伝えたくて、好き、好きなんだ、愛してるよ。」
知っていた、彼が怪しげな組織に潜入していることは、でも、これは、こんなのは、あんまりじゃないか。
「私も、私も愛してるよ」
「なんだぁ、両思いだったのか、どうしよう、いらない未練残しちゃうかも」
「残していいよ、残してよ、私ですら一生忘れられないように」
「...ありがとう、さようなら」
ツーッツーッと鳴る電話
きっと彼はもう、この世にはいない。愛してるなんて、最悪の呪いを残して消えていった。最愛の人
最愛の人が約束を果たしに来るのは一年後
5/8/2023, 1:21:39 PM