恋物語

Open App



僕は旅人、宇宙を旅する旅人だ。
僕の家はない。多分、戸籍なんてものもない。
だって、僕は旅人で地球に住んでいないから地球人ではない。だから、地球にある「戸籍」何てものは僕には必要ない。

今日も僕は旅をする、「今日はどこへ行こうか、」行くあてなんてないけど、その日の居場所を探すのはとっても楽しいんだ。

「今日は暗いなぁ、、」
いつもなら太陽の光に照らされて地球がキラキラと輝いているのに、今日はその輝きがない。

「おかしいなぁ、」
月もない。太陽にライトアップされていた星たちは電球が切れたかのように光を失っていた。
太陽が消えた。決めた、今日の居場所は太陽だ。

太陽を探しに行く。

「この辺だったっけ、」
暗い暗い宇宙空間で太陽を探す。あ、あった。
暑くない、光を失った太陽を足で踏む、右左右左、、1歩づつ踏みしめる。
光を失った太陽はまるで月のようだった。
トンットンッ勢いをつけて飛んでみる、無重力空間でふわっと浮き上がった体は太陽に着陸。
足の進む方向に身を任せる。


くすん、くすん、

鼻をすする音が聞こえ、進む足を止めた。
音のする方向を見れば女の子が座っていた、白いワンピースに靴を履いていない白い足が伸びている。
キラキラと輝く金色の髪はとても綺麗だ。

「どうしたの、?」
僕はそう問いた。
彼女は太陽の天使らしく、彼女が太陽を光らせていたという。そして、彼女は僕と同じ宇宙の旅人。

「お願い、助けて。」
彼女の綺麗なスカイブルーの目が真っ直ぐこちらを捉えた。
ドクン、ドクン、ドクン。
うるさい心臓を無視して僕は「うん、」と答える。

太陽を光らせるには、太陽の中にある装置を押さなければいけないのだが、どうやらその扉が錆つき開かなくなってしまったらしい。

「んぐ、、」
体重を使い引っ張って見るも開かない扉。
僕の大きなリュックからスコップを取り出し、テコの原理でこじ開ける。

開かない。

スコップを投げ捨ててもう一度引っ張ってみる
ズバッ、開いた。

尻もちをつき強打したおしりを擦りながらかの彼女に行ってと指示する。
暗闇の中に消えていく金色の光を見送りながらスコップを、片付けた。しばらくして眩しい光が発せられ太陽はまた、輝き出した。

「ふふ、ありがとう!旅人さん。これからはどこへ行くの?是非一緒に旅をしたいな、」
巡り会えたなら仕方ない、そういう運命なんだから。
僕達は今日も居場所を探す。






巡り会えたら

10/3/2024, 12:36:18 PM