『水たまりに映る空』
灰色の空、黒い煙をあげる煙突たち。
洗濯しても落ちない汚れを纏った作業服で今日も仕事。
ここ数年ずっと空は曇りっぱなし。
雨が降っても雨が止んでも空は灰色のまま。
今日も雨が上がった。今日こそはと願いつつ外に出たが案の定空は色を忘れていたまま。
あたりに水たまりができていて、少し湿気った空気。
水たまりを覗くと反射した空が映し出されている。
水たまりに広がる何かが反射した空を虹色に染める。
現実の空もこれくらい鮮やかに...
なんてもしもを願うよりも仕事に集中するしか
今を生きる方法が思いつかなかった。
語り部シルヴァ
6/5/2025, 10:16:51 AM