生来の性分というべきか、習性というべきか…
俺は、光を反射したり表面が鏡面のようにつるつるとした物が好きだ。
その中でも万華鏡とビー玉が特に好きで、よく集めたものだった。
最初こそよく眺めていたものだったが、最近は眺めることも滅多になくなってしまった。
その理由の一つは家族が増えたからだが、もう一つにして最大の理由は、間違いなく俺の膝にうつ伏せになって羽繕い待ちをしている此奴のせいだろう。
純白の大きな翼に幅広の細い光輪、おまけに鮮烈な蒼の瞳…
その瞳はまるで穢れを知らぬように深く、美しく澄んでいる。
…いや、穢れは幾度となく見てきたのだが。
それこそ、数度は絶望に心を病んだことさえあって、その際には大概苦労したものだった。
だが、それでも此奴は持ち直し、強くなった。
この瞳が恐ろしいほど深く澄んでいるのは、生まれてから今までの千数百年の間に見てきた全てを受け入れ、赦し、乗り越えてきたが故のものなのだろう。
蒼く深く澄んだ2つの瞳は今日も、全てを赦し、癒してきた此奴の懐の深さを静かに物語っている。
7/31/2024, 3:50:23 AM